村田紗耶香さんの「コンビニ人間」という本を読み終えた。
コンビニでアルバイトをしている女性の話で、少しアスペルガー症候群のような世間からずれた考えをしている主人公はコンビニという透明で無機質な箱のなかで普通でいようとする話である。
途中、本当にみんながいう普通の人の条件を満たせば自分も普通になれると気がつく主人公。
そして主人公と同じくらい変わっている白羽という登場人物。私が男だったら白羽さんみたいになっていたような気がする。
社会から、自分を隠してほしいと懇願する彼に感情移入してしまった。
白羽さんの描写でこの本の中で一番心に残った場面がある。それは、
「ぼくは一生なにもしたくない。一生、死ぬまで、誰にも干渉されずにただ息をしていたい。それだけを望んでいるんだ」
白羽さんは祈るように、両手を組み合わせた。
というセリフ。
分かるよと思った。
本当に、ただ息をすることだけを求めているかと言われたら違うけれども。
ここまで読んでくれてありがとう。
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